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2024年1月27日

肺炎球菌ワクチン接種について


今年に入り、テレビでも肺炎球菌ワクチン接種についてのCMが流れるようになりました。

今回の話題は肺炎球菌ワクチンについてです。

 

#1 肺炎球菌について

肺炎球菌は主に小児に棲みついている細菌ですが、大人でも鼻腔などに常在しています。からだの抵抗力が低下したりすると肺炎球菌は免疫のバリアをかいくぐり、肺炎球菌による感染症を発症します。

上のグラフは、成人肺炎の病原菌の割合を示したものですが、肺炎球菌は最も多い原因菌になります。

肺炎だけではなく、副鼻腔炎、髄膜炎なども合併し、場合によっては致死的な感染症になりえる怖い細菌です。肺炎球菌は93種類の血清型(タイプ)があります。基本的にはペニシリン系抗生物質が治療に使用されますが、最近抗生物質の乱用により耐性菌の出現も最近問題になっています。よって、いかに肺炎球菌感染症に対する予防が重要であるかが分かると思います。

 

#2 肺炎球菌ワクチンについて

①65歳以上の方、②狭心症などの心臓疾患、喘息などの呼吸器疾患、糖尿病などの持病を持っている方、にワクチン接種が推奨されています。

2024年3月31日までは、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳の方の初めてのワクチン接種に公費助成が受けられます。同年4月1日からは65歳の方の初めてのワクチン接種のみ公費助成を受けれるように変更されます。それ以外は任意接種となります。

肺炎球菌ワクチンには主に「 ニューモバックスNP(23価ワクチン) 」「 バクニュバンス(沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン) 」「 プレベナー13(13価結合型ワクチン) 」の3種類があります。色々情報はありますが、基本は23価ワクチンのニューモバックスNPが中心になります。

以下のようなスケジュールで接種することが勧められています。

上の図の定期接種は今年3月31日までの情報となっていますが、前述の通り4月からは65歳のみになります。

プレベナーは免疫誘導力が強いのが特徴であり、プレベナー接種→ニューモバックス接種により、より高い予防効果が得られる可能性が示されています。

 

#3 肺炎球菌ワクチンの副作用

これはどのワクチンにも言えることですが、接種部位の痛み・赤み・腫れ、筋肉痛、だるさ、発熱、頭痛などの副反応が出現する場合があります。多くは数日以内に自然軽快します。

 

肺炎球菌ワクチンの接種を希望される方は、まずは初めてであれば助成制度が受けられる年齢かどうかをよく確認しましょう。対象年齢であれば、市から助成券が送られているはずです。

定期接種、任意接種のいずれの場合にも事前の予約が必要です。スケジュールも含め、ご不明な点があれば遠慮なくご相談下さい。

院長 原 聡志



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