2024年3月10日
新薬開発には9~17年近い歳月、数百億円以上の投資を必要とします。
創薬スクリーニングから始まり、動物による非臨床試験、人による臨床試験を経て安全性、有効性を確認されたものが、厳しい審査の上で承認され新薬として使用できるようになります。
その新薬の特許期間が過ぎるとその権利は国民の共通財産となるため、他の製薬会社から同じ有効成分を使った医薬品を製造、販売することができるようになります。それが後発医薬品(ジェネリック医薬品)です。
ジェネリック医薬品の承認、販売にも厳しい審査があります。①成分の純度や量を確認する規格試験、②体内で同じように溶けて吸収するかどうかを確認する溶出試験、生物学的同等性試験、③長期に保存しても変化がないかを確認する安定性試験、を経て販売承認され薬局に届けられています。
価格が先発品と比較して安いため医療費負担が少なくなるだけでなく、間違いなく、またより飲みやすく工夫されているものが多くあります。複数の製薬会社が同じ薬効の医薬品を作っていますので、ある製薬会社がその医薬品を作れなくなっても、他社の医薬品があるので流通の面でもリスクの回避ができます。
実際に病院では、後発品がある医薬品に関してはほとんどのものをジェネリック医薬品として処方しています。調剤薬局では、先発品とジェネリック医薬品の両方を置いていることも多くありますが、実際に処方される際にはジェネリック医薬品の割合がかなり高くなっています。
当院では、院内で医薬品を処方する場合と、院外処方箋としてお渡しし調剤薬局で医薬品を処方する場合があります。基本的に院外処方箋ではジェネリック医薬品を優先して選択するようにお渡ししています。もし先発品をご希望の場合にはその旨を教えて頂ければ対応させて頂きます。
皆さんに安心して治療を受けて頂けることが大切です。ご不明な点があれば、遠慮なく診察の際に相談下さい。宜しくお願いします。
院長 原 聡志