2023年2月12日
入学式、入社式など、年度初めに生活の変化がある方も多くおられると思います。その際に、「けんしん」を受ける方も多いのではないでしょうか。
「けんしん」には「健診」と「検診」があり、それぞれ全く違うということを皆さんはご存知でしょうか。今回は2つの「けんしん」の違いについて説明します。
【 健診 】
いわゆる健康診断のことで、自身の健康状態を確認し、病気を予防することを目的としています。
【 検診 】
特定の病気を発見するために行う検査のことを指し、病気を早期発見し、早期治療につなげることを目的としています。中でも代表的な検診は「がん検診」です。
次に、それぞれの種類や違いについてご説明します。
*健康維持に必要不可欠な「健診」
健康診断には、職場の健診、学校健診、特定健康診査など、様々な種類があります。
●一般健康診断(定期健康診断など)
日本でもっとも多く行われているのが定期健康診断です。事業者が労働者に対して1年に1回以上実施することが義務付けられている検査で、検査内容は身体計測、血液検査、尿検査、胸部X線など基本的なものが中心になります。
●特定健康診査
メタボリックシンドロームに特化した健康診断、いわゆる「メタボ健診」のことで、生活習慣病の予防・早期発見を目的としています。検査した結果、生活習慣病の発症リスクが高いと判明した人には、生活指導が実施されます。
→40歳以上の国民健康保険加入者には受診券が送付されます。後期高齢者医療制度に加入されている方は受診券は不要です。当院を含めた市内実施医療機関、保健センターでの集団検診で受けることができます。
*早期発見・早期治療が目的の「検診」
特定の病気を発見するために行う「検診」で、その代表例は「がん検診」になります。がん検診には以下の種類があります。
●対策型がん検診
これまでの研究によって、5つのがん(胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がん)は、それぞれ特定の方法で行う検診を受けることで早期発見でき、死亡率が低下することが科学的に証明されています。
胃がん:胃X線検査 (バリウム検査)、胃内視鏡検査
子宮頸がん:子宮頸部細胞診
乳がん:マンモグラフィー (乳房X線)
肺がん:胸部X線とハイリスクに対する喀痰細胞診の併用
大腸がん:便潜血検査
日本ではがん検診の受診率が欧米と比較して低く、米国では乳がんや子宮頸がんの検診受診率は70~80%であるのに対して、日本でゃ30~40%にとどまります。また肺がんの検診受診率も45~53%と低く、がん検診の受診率向上が課題になっています。
●任意型がん検診
病気の早期発見・早期診察を目的とする任意の健康診断としての代表例が人間ドックです。一般健診や特定健診の基本的な健診内容に加えてCT、MRIなどの検査項目が増え、脳に特化した検査など、医療施設によってさまざまな種類のオプションやコースが用意されています。伊丹市内では、市立伊丹病院、近畿中央病院で行っています。申し込みはそれぞれの病院で行っています。
当院では主に健診を行っています。ご希望の方は、お手数ですがまずは電話でご相談下さい。日程の調整をさせて頂きます。宜しくお願いします。